会長退任のご挨拶


 この度、3月末日を持ちまして、京都弁護士会の会長の職を任期満了にて退任いたしました。

新型コロナウイルス感染症の蔓延に振り回され、それへの対応に追われた1年でした。

 

就任直後に緊急事態宣言の出た後は、弁護士会の会館の活動を維持し、他方で接触を減らして会員や職員の安全をどう守っていくのか、前例や指針のない状態での暗中模索の状況が続きました。

 

裁判所も約1ヶ月期日が停止されるなどしましたが、その間も弁護士会の活動を止めることはできず、こんな時こそ、市民向けの活動としての法律相談業務の維持と新型コロナ関連に特化した新たな相談事業の実行に腐心しました。

 

京都市内の法律相談は電話での対応となりましたが、そのほかの府下の自治体へは会長としてご挨拶に窺い、弁護士の活動をご理解いただき感染症対策を施した相談事業のご協力をお願いしました。

 

各委員会の活動はリモート会議が中心になり、弁護士会が主催するシンポジウム等もWEBでの開催が多くなりました。

 

なかでも、第2波と第3波の端境期には京都弁護士会の最も重要なイベントである「憲法と人権を考える集い」の記念すべき第50回を無事開催できたことは大きな喜びです。

 

例年のように会場に多くの市民の皆様に集まっていただくことはできず、会場はできるだけ少ない人数にしてネット配信とのハイブリッド方式で講演等を行いました。

 

当日の模様は、その後YouTubeにて、一般に公開しています。

 

 また、日本学術会議の任命拒否問題では、全国の弁護士会に先駆けて会長声明を発出し、Yahooのネットニュースでも大きく取り上げられ、市民の皆様から多くのご意見も頂戴しました。

 

 この1年は、その都度待ったなしの決断を迫られることの連続した状況でしたが、会長としてできるだけのことはやり遂げたものと自負しています。

 

これもひとえに皆様のご協力のたまものと深く感謝いたしております。

 

会長在任中は事務所を留守にすることも多く、ご迷惑をおかけしておりましたが、4月からは会長としての経験を生かし、弁護士業務に精励する所存です。

 

引き続き、皆様の御指導ご鞭撻を賜りますようよろしくお願いいたします。

2021年4月

 日下部 和弘